青年海外協力隊の駒ヶ根訓練所では、実は「自主講座」というものがあります。
文字通り、僕ら候補生たちが自主的に開く講座で、様々なセミナーやワークショップが開かれます。
「折り紙の折り方」だったり、「モチベーションアップ」だったり、いろんな学びが得られる。
僕も先週、シニア海外ボランティア(SV)の方と一緒に対談形式のセミナーをやってみました。
シニア海外ボランティアというのは、40歳~69歳の方です。
20年以上働かれている方ばかりなだけに、その知識や経験の凄さったらハンパない。
正直、対談形式は初めてで不安だったので、こんな本を読みました。
- 作者: 阿川佐和子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/09/20
- メディア: Kindle版
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この本があったおかげで大成功に終わりました。
僕が実践したポイントを中心に紹介します。
準備は大事。でも準備はしすぎない
何事においても、準備することは大事ですが、阿川さんは準備をしすぎないことを教えてくれます。
具体的には、「質問は一つだけ用意しなさい」と書かれていました。
これを読んだとき、かなりびっくりしました。質問1つだけってめちゃくちゃ怖いです。
実際、阿川さんも当初は質問をがっちり考えてから対談に臨んでいたとのこと。
でも質問を用意しまくるとこんなことが。
次の質問のことばかりを考えていると、どうなるか。肝心の社長の話はほとんど耳に入ってこないのです。
というか、ぜんぜん聞いていないに等しい。
お愛想程度にときどき相づちは打っているものの、頭は上の空。
とにかく相手が自分の質問に応えてくれて、言葉を発してくれている事実だけを確認すると、それだけで安心し、中身について深く理解しようとしていない。
そういう質問のしかたを続けていると、相手の話を聞いていないから、話に連続性が生まれません。
要は盛り上がらないってことです。
僕はガチガチに質問を決めていこうと思っていたので、正反対のことをやろうとしていた。
助かった。
トークは生もの。予定通りにいかないのが良い
次は「トークは生もの」ということ。
要は予定通りに進めようと思っても予定通りにはいかないよってこと。
そしてだからこそ、トークは面白いっていうことを仰っています。
予定通りにいかないって進行する方としてはかなり怖い。
想定していない展開になったら慌てふためきます。
中には、全くトークテーマに関係ない話の内容になって、脱線してしまうときもあるでしょう。
でも、そんなときも阿川さんはこう仰っています。
無駄だとは思わず、必死で聞くことが大事であり、その一見、無駄に思われる話のなかにコロンと大切な言葉が転がっているかもしれないと、いつも油断なく耳を傾けるようにしなければいけないのです。
脱線したからこそ、かえって面白くなるかもしれません。
その面白くなるヒントを逃さないように聞くことの大切さを教えてくれました。
ただ、ひたすら「話を聞く」ことを優先
まとめみたいになりますが、結局はひたすら「話を聞く」のが仰っています。
話を聞く。親身になって話を聞く。
それは自分の意見を伝えようとか、自分がどうにかしてあげようとか、そういう欲を捨てて、ただひたすら「聞く」ことなのです。
ワークショップの進行役はただ質問を聞くだけではだめです。
聞きながら、タイムマネジメントもしないといけないし、場合によってはスライド操作もしないといけない。
会場に適宜話をふっていくことも必要です。
でも、それらを意識していると、聞いているようで聞いていない状態になってしまう。
そうすると聞いていないから連続性のある質問が生まれない。
質問に連続性が出ないと、トークが盛り上がらない。
そうすると話をしている方も聞いている方も、楽しくない。
そうなってしまうと、そのイベントは良いものにはならないでしょう。
やることはたくさんあるのは分かる。
でもそれらを気にするのは最低限にして、目の前の話をしている人に全神経を向けましょう。
そうすることができれば、必然と話は盛り上がっていき、イベントの満足度も上がっていくはず。
特に僕は聞いているフリをして、実は頭の中では別のことを考えているような癖があるのでここが非常に響いた。
まとめ
この本を読んだおかげで、無事成功させることができました。
終わってからも「話聞くのうまいね」とか「聞いてほしいところをちょうど聞いてくれた」っていう意見をいただきました。
全然うまくできる気がしなかったけど、なんとかなった。ありがたいです。
色々書きましたけど、特に大事なのは自然体で聞くことだと思います。
そうすれば自然と聞きたいことも出てくる。
日常会話から意識できることがたくさんあるので、対話形式のイベントをやらない人にもおすすめです。
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