人生で大切なことは「それでも運命にイエスという。」が教えてくれる

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ナマステ!
ネパール在住・青年海外協力隊ブロガーのKei(@Kei_LMNOP)です。

向井理さんが主演で映画化された「僕たちは世界を変えることができない。」 
平凡な大学生たちがカンボジアに学校をつくるという実話をもとにした話。
その原作者である葉田甲太さんの2冊目の本があります。

それがこちら。「それでも運命にイエスという。」
カンボジアでのエイズの実態を描いたドキュメンタリー映画をつくるという話。

この本が素晴らしいんです。
国際協力とか途上国に興味がある人はもちろん。
そういうものに全く興味がない人にもおすすめしたい。

人生で大切なことを教えてくれる作品なんです。 

印象に残った心が動かされる名言たちをピックアップ

葉田さんの作品は本当にグサグサ心に刺さります。
今回の「それでも運命にイエスという。」も例外ではなく、名言がわんさかありました。

 

18歳になれば、仕事があって、税金を納めている人もいる。
20歳になれば、選挙権だってある。 自己満足でもいい。
もう他の何だっていい。
この先、この胸の中のモヤモヤをずっと抱えて、後悔しながら生きていたくない。
できなくてもいい。失敗してもいい。
だけど、かっこいいことをいって、自分を正当化して、すべてなかったことのようにしたくない。

 

「葉田さん、最近何してんすか?」
「カンボジアのエイズドキュメンタリーをつくろうと思っている。いま、そのために本読んでる」
「えっ、どういうことですか!?」

その後、じゅんぺいが疑問を投げかけてきた。
「なんで、やろうと思ったんですか?」
「インターネットの書き込みにむかついたから。深い理由は全然ない」
「……」
「自己満足だよ。自己満足で誰かが笑ってくれるなら、それでもいい」
僕は、重要なことを忘れていたので、付け加えた。
「患者さんに迷惑かかるならすぐにやめるよ」

 

じゅんぺいが続けた。
「ドキュメンタリー映画について、詳しく教えてください」
「カンボジアのエイズドキュメンタリーを撮って、HIVに対する偏見や差別を少なくしたい。それだけ。詳しくっていわれても、それだけしか決まってない」
「なんで、ドキュメンタリーなんですか?」
「昨日、ドキュメンタリー映画を見て、自分にもできるんじゃないかと思ったから」
「それだけっすか!?」
「うーん、たぶん」

 

映像で世界を変えることはできなくても、HIVに感染した後、彼女たちがどれだけの環境で生きていたか、そして強く生きていたことを、残せたらいい。

 

今思えば、なんでドキュメンタリー映画をつくったのか、本当のところはうまく説明できない。
HIVうんぬんでも、差別や貧困うんぬんでも、難しいことでもなく、ただ、目の前で泣かれたからだと思う。
それが教科書に載っている症例ではなく、テレビや写真で見たわけじゃなく、誰かに聞いたわけでもなく、目の前で泣かれて、それをただ、見過ごすのが嫌だったんだと思う。

 

国際協力やボランティアでは、現金を渡すことはよしとされていない。
自ら解決しようとする力を奪い、支援に依存させてしまうからだ。
頭では分かっていたけど、この時、お金を渡そうかと本気で思った。
借金さえ返すことができれば、少なくとも風俗の仕事はやめられる。

 

セックスは減るもんじゃないっていう人もいるけど、毎晩好きでもない男と1ドルのためにセックスをして、17歳の彼女の心はすり減っていったんじゃないだろうか。 

 

自分は、何のために始めたのか?
有名になりたかったからか?
人にちやほやされたかったからか?
お金がほしいのか?
そんな気持ちがないわけではないが、どれもしっくりこなかった。
「世界なんて変えられなくてもいいから、せめて出会った人だけでも笑顔になってほしい」
そう思って始めたことなんだ。
だから、形なんて、どうでもいい。
最低限の知識は必要だけど、今大事なのは、そこじゃない。
本当に、心に届く映像をつくればいい。

 

よく、なんでカンボジアなんですか? 
なんで日本を支援しないんですか? と質問される。
正直にいうと、深い理由はない。
ただ、僕が出会ったのがカンボジアだったから、カンボジアに何かできたらいいなと思っただけで、日本で何か縁があったり、出会いがあったら、僕は、カンボジアでなく日本で活動していたと思う。
たまたま僕は、カンボジアに縁があった。
がっかりされることもあるけど、それだけの理由でしかない。

 

世界を変えるのは、きっとお金でも、政治でもなく、人の心なんだと思う。

 

人生は短い。
あんまり、適当に生きてる暇ってないんだなと感じた(もちろん、今でもたまにだらだらしてる時はあるけど)。
だからこそ、人生は短いなら、今回の残された人生は、自分の命は、人のために使いたいと思った。
そのほうが楽しそうだから、そのほうが僕が幸せそうだから。

 

いや~深い。心がグサグサ刺さってきます。
それぞれの言葉の背景はここでは説明しません。
あくまでも本そのものを読んで感じるものがあると思うので。

自分たちには世界は変えられない。じゃあ何もしなくていいの?

本を読んで分かるように、カンボジアのエイズ問題は深刻です。
葉田さんたちがドキュメンタリーを作ったからって解決するものじゃない。
本の中でも、自分たちがやろうとしてることの意味を問い直す場面が出てきます。

 

だけど、それでも葉田さんたちはドキュメンタリーを作ったわけです。
そして、そのドキュメンタリーの日本一周上映会までやったわけです。
医師になるための大事な国家試験がある中で、やり切ったわけです。

 

自分たちの手で世界は変えられない。
でも、だからといって何もしなくていいってことにはならない。 

 

青年海外協力隊としてネパールにいる今、正直自分じゃどうしようもできないことに多々遭遇します。

震災から1年半が経っても進まない復興。
1日の半分以上電気がない状態で過ごす生活。
仕事がなくて海外に大人が出ていってしまう出稼ぎ。

問題の根が深すぎて、問題の規模が大きすぎて、自分1人じゃどうしようもできないって思ってしまうことが多々あります。
でも、だからといって、何もしなくていいってことにはならない。

 

大事なのは、自分ができることをやること。
自分にできる形でいいから、目の前の人の力になろうと頑張ること。
世界を変えるような大きな成果なんて出せなくてもいいから、とりあえずやってみればいいんです。

 

一歩踏み出した先には、あなたを助けてくれる仲間が待っている

そうして、一歩前へ踏み出して行動を起こすと何が起こるか?
その情熱に心打たれた誰かがあなたの仲間になってくれる。
たった1人の自分を助けてくれる人が現れる。

 

葉田さんの相棒として、ドキュメンタリーづくりの大事なパートを担った小川光一さんの言葉が印象的。

頭が「世界を変えることができない」っていいながら、体が「世界を必死に変えようとしている」というものすごい状態で動き回る彼に惹かれ、「この男の想いを自分の持てる限りの力で補いたい」と直感で思ったのが、手伝った理由だ。 

 

「情熱は連鎖する」っていう言葉を誰かが言っていた気がするけど、僕もそう思います。
あなたが起こした行動に胸をうたれて、動いてくれる人は必ず出てくる。
それは僕個人も体験している。

思い出すのは、協力隊の訓練所にいたときに起きたネパール大地震のこと。
ネパールに派遣される僕らに一体何ができるんだろうか。
悩みながらも、募金を集め、チャリティーTシャツをつくり、被災して帰国したネパールの先輩隊員と講演会を開いた。

 

その結果、その行動に胸をうたれた研修所の同期隊員たちが協力してくれ、約30万円の募金が集まった。
講演会には新聞の取材が入り、翌日の一面を飾った。
70日間の研修の最後の修了式で、代表スピーチをやった同期が僕らネパール隊員の活動を取り上げてくれた。

 

「この活動は必ずネパールに届くと信じて止みません。」

 

あのスピーチの言葉を聞いた時、僕は泣いた。声をあげて泣いてしまった。
自分たちがやっていることが本当に意味があるのかを自問自答する中で起こした行動。
その行動が誰かの胸をうつ価値あるものだったと知ってホッとしたんだと思う。

自分の行動は意味がないかもしれない。
周りからどう思われるか分からない。
そんなことを思いながらも、自分が動くこと。

そうすれば、その情熱に動かされる仲間が必ず出てくるんです。

 

現実は甘くない。だからこそ行動することが大事なんだ

何をやるにしても、現実の壁は厚く、世間も甘くない。
だからこそ、その現実を変えてくれるのは、思っているだけじゃなく、きっと行動した時のはずだ。

 
こんなことをやっても無駄だ。
こんなことをやっても意味がない。
こんなことをやっても世界は変えられない。

 

確かにそうかもしれない。
今踏み出すたった小さなその一歩が大きな成果につながるかなんてわからない。
むしろ、つながらない可能性の方が高いだろう。

でも、何かをやらないと現実が変わらないことも事実。

 

どんなに小さくてもいい。
思うだけじゃなくて、しっかり行動を起こすこと。
そうすれば目の前に何かが変わるかもしれない。

 

「それでも運命にイエスという。」

この作品はそんな人生で大切なことを教えてくれる作品でした。
国際協力、途上国、カンボジア、HIV、エイズ。
そんなことに全く興味がないっていう人でも読んでほしいです。