入社式の自分が持つべきは「希望」ではなく「諦める力」だった

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ナマステ!

4月1日。入社式ですね。
多くの新社会人にとって、新しいスタート。
「さあ、やってやるぞ!」って思ってる人も多いでしょう。

4年前の僕もそんな感じでやる気MAXでした。
社長からの引き締まるようなスピーチ、切磋琢磨して成長できる同期の決意表明。
何よりも就活時代からずっと入りたかった会社で社会人生活をスタートできる喜び。

学生の時に自分が憧れていた社章をつけたときの喜びはたぶん一生忘れない。

でも今思い返せば、そんな最高に前向きな1日だからこそ、知っておきたかったことがありました。

そこで、今回は4年前の入社式の自分に贈る言葉を書いてみたいと思います。

「3年間は絶対に辞めない」と決めた入社式の日の自分

自分がずっと働きたかった会社で迎えることができた入社式。
最高の気分で入社式を終えた僕はこう思っていました。
「どんなに辛くても、3年間は絶対に辞めずに頑張ろう」と。

もともと超会社が好きだったので、定年近くまで働きたいなと思ってました。
定年後の退職金をちょっとずつ若い時からもらえる制度も申し込まなかったですし。
だから3年で辞めるなんて思いもしませんでした。

でも、社会人生活は何が起きるか分からない。
第一志望の会社に入れたけど、もしかしたら超辛いかもしれない。
それでも自分で選んだ道なんだから、3年間は何があっても頑張ろうと思ってました。

入社式の日の自分の決意に、3年間苦しめられた日々

そんな入社式の自分自身の決意に、3年間苦しめられるとは思いもしませんでした。

上司や同じチームの先輩には本当に恵まれました。
今でも心から感謝しています。
でも、なんか自分の居場所じゃない感がすごかったんです。

自分がやっている仕事が、自分がやるべきだと思っている仕事とあまりにもかけ離れていた。
それに加えて、細かくきっちり100%決められたことをやるっていう自分が最も苦手な仕事。
自分がやりたい仕事でもなければ、向いている仕事でもなかったわけです。

図で言うと、嫌いだし、苦手な一番最悪な「不適職」でした。

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正直、自分の居場所じゃないというその違和感には配属してから1ヶ月で気づきました。

でも、辞めなかったんです。入社式の自分自身の決意があったから。
そして成果を出していないのに、辞めることは逃げだと思っていたから。

自分の心が居場所はここじゃないって感じているのに、それを押し殺して働く日々。
心にそぐわないことをやっていることがこんなにも辛いとは。

「3年」の呪縛から解き放たれた今は最高に幸せ

2015年の3月末。
入社してちょうど3年が経って、会社を辞めました。
そして今は青年海外協力隊としてネパールにいます。

異国、しかも最貧国ネパールでの暮らしは決して楽ではありません。
給料(今は協力隊だから手当)も1/5くらいになりました。

それでも胸を張って言えます。
会社員のときよりも何倍も、今の僕は幸せだと。

なんでか?
それは自分がいるべき場所に、今、自分がいるから。

だからとても居心地が良い。
心と身体が反したことをしていないから、ほとんどストレスもありません。

「3年」という数字に根拠はない。常識から外れるのが怖かっただけ

僕を縛っていた入社式の「3年間は辞めない」という決意。
その「3年」って何の根拠があるのか。

考えても考えても自分なりの根拠ってないんです。
「仕事を始めてから1人前になるまで3年はかかる」という社会の常識。

これに縛られてただけなんですよね。
要は、その常識から外れるのが怖かっただけなんです。
ビビってただけなんです。

「3年」に根拠がない。
だからもっと早く辞めてもよかったんじゃないかって言われたら何も言い返せない。

3年間の日々を後悔はしていないし、無駄だと思っていない。
でも、僕らの人生はいつ終わるか分からない。

keik182.hatenablog.com

もし会社生活の途中で人生が終わっていたら?
そう考えると、僕はあの世から後悔したでしょう。

「なんでもっと早く辞めなかったんだろう」
いざ会社を辞めた今はそんな風に思っています。

入社式の日の自分に必要だったのは「諦める力」

入社式の日の自分に必要だったこと。
それは辛くても同じ場所で頑張り続けようという決意ではなかった。
あの日の自分に必要だったのは「諦める力」だった。

会社というものは手段でしかないということ。
会社を辞めることは、「逃げること」ではないということ。
自分をいるべき場所に置くということ。

それらが全部、入社式の日の僕には欠けていた。

会社なんて生きるための手段でしかない

仕事ってのは生きるための手段でしかない。
お金を得るためなのか、生きがいを得るためなのか。
どちらにしろ、自分の人生をより良くする何かを得るための手段でしかない。

手段なんだから、合わなかったらガンガン変えちゃっていいんです。

多くの人は、手段を諦めることが諦めだと思っている。

だが、目的さえ諦めなければ、手段は変えてもいいのではないだろうか。

(中略)

陸上界で最も「勝ちにくい」100メートルを諦めて、僕にとって「勝ちやすい」400メートルハードルにフィールドを変えたのは、僕が最も執着する勝利という目的を達成するために「必要だった」と納得できたからだ。

為末大「諦める力」

なのに、僕は第一志望の会社で働き続けることが目的になっていた。
だから僕は辞めなかった。

会社を辞めることは、「逃げること」ではない

会社を辞めることは、「逃げること」ではない。
会社を辞めても自分の人生から逃げたわけじゃない。
むしろ、自分の人生をより良いものにするために辞めるんだから。

今の僕にとって、何かを「やめる」ことは「選ぶ」こと、「決める」ことに近い。

もっと若いころは、「やめる」ことは「諦める」こと、「逃げる」ことだった。

そのように定義するとどうしても自分を責めてしまう。

為末大「諦める力」

でも僕は勘違いしていた。
成果も出さずに、会社を辞めること。
これを僕は「逃げること」だと思っていた。

逃げたくなかったから、僕は辞めなかった。

自分を「自分の場所」じゃないところに置いてはいけない

自分は、自分がいるべき、正しい場所に置いておくもの。
そうじゃない場所に置いておいてはいけない。

「自分の場所」じゃないところでいくら頑張ったって成果は出ない。

ほとんどの人にとっては、つらい時期を耐え抜いても成功しないことが多いのだ。

現実には10人のうち9人が成功せず、たった一人だけうまくいった人が、自分のロジックで語っているにすぎない。

「苦しい時期を耐えたら、必ず結果は出ますか」。

スポーツにこんなアンケートを取ったとしても、おそらく90%は「出ないときもあった」と答えるだろう。

為末大「諦める力」

何かを犠牲にしてもうまくいかないもんはいかない。

一生懸命やったら見返りがある、という考え方は、犠牲の対価が成功、という勘違いを生む。

すべての成功者が苦労して犠牲を払っているわけではなく、運がよかったり要領がよかったりして成功した人の方が実際は多いのではないだろうか。

為末大「諦める力」

自分が向いていないことを頑張り続けてはいけない。

成功する確率の低い若者には「きみは、この先に進んでも成功するのは無理だよ」と言ってあげる大人が必要なのではないだろうか。

「きみが成功する確率は万馬券並だ。

だから今の競技は諦めて、こっちに進んでみたらどうだろう。

僕はきみがこっちに向いていると思うよ」。

為末大「諦める力」

なのに、僕は自分を正しい場所に置いていなかった。
「自分の場所」じゃないところでめちゃ頑張っていた。
この時間を犠牲にすれば何かが得られると思っていた。

だから辞めなかった。

自分で選んだ道。だからこそ道はいくらでも変えられる

入社式の日の僕は、自分で選んだ道だから何があっても3年間は頑張ろうと思っていた。
自分で決めたことだから、決めたことは守ろうと思っていた。
でもそうじゃない。

自分で選んだ道だから、いくらでも道は変えていいんだ。
自分で決めて選んだ道なんだから、同じ道に居続ける必要はない。
違う道を選んだっていい。

自分の人生なんだから、全責任は自分にある。
すべては結局自分が決めること。
だから他人から何を言われても、どう思われても関係ない。

会社なんて入ってみて働いてみないと分かんない。
だからこそ、僕は会社生活の中で一番前向きだった、入社式のあの日の自分に伝えたい。

「諦めたっていいんだ」っていうことを。

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