Kei's Way@Nepal

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僕はネパールを変えることができない。

~ネパール在住青年海外協力隊が贈る、生き方に悩む20代が前に一歩踏み出したくなるブログ~

途上国から見たリオ五輪。閉会した今こそ考えたい「メダル格差」と「猫ひろし」と「ナイジェリア代表」

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ナマステ!

リオ五輪が閉会しましたね。
日本勢は過去最高のメダルを獲得!
毎朝、メダル獲得のニュースを聞くのは本当に嬉しかった。

 

そんな僕ですが、今は青年海外協力隊としてネパールに住んでいます。
アジア最貧国の途上国。
だからか、今回のオリンピックはいつもとはちょっと違う、途上国の視点で色々考えさせられることが多かったんです。

 

今回のリオ五輪で考えたい3つのことを書いていきます。  

(1)メダル獲得数上位国に並ぶのは、先進国ばかり。これってどうなの?

言うまでもなく分かっていたことですが、メダル獲得上位の国は先進国ばかり。
「名前を聞いたことないぞ」的な国は1つも入っていません。

 

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参照:Google 「リオオリンピック2016」ページ

 

こんな夢のない記事まで出ちゃってますね。
言われなくても分かってたことだけど、こんな風にデータでしっかり出ちゃうとなんだかなって感じです。

gendai.ismedia.jp

 

先進国はスポーツにお金を注ぐだけの余裕があります。
お金をかけて施設を整えたり、有望な選手を育成するだけのお金がある。
だから、こうやってたくさんのメダルを獲得できる。

 

対して途上国はスポーツにお金をかけるだけの余裕がない事が多い。
そうなると、才能のあるいい選手がいても、育成できるだけの環境が持てない。
むしろ、選手をオリンピックに派遣することができないケースだってある。

 

仕方ないっていったら仕方ないことのなのかもしれない。
でも、生まれた国の豊かさの違いで、メダルの獲れる・獲れないがある程度決まってきてしまうのってなんか納得できない。

 

頭ではわかっていても、なんか腑に落ちないというか。
「世界の祭典」って呼ばれるオリンピックなのに、こんなに先進国にメダルが集中するのってどうなんだろう?

 

(2)途上国に与えられる、特別出場枠(ワイルドカード)を猫ひろしさんが使って出場。これってどうなの?

経済格差のある先進国と途上国。
途上国からするとメダルを獲るどころか、出場するのだって精一杯。
純粋に成績上位者が出場ってなると、先進国の選手ばかりになっちゃう。

だから設けられたのが特別出場枠(ワイルドカード)。

これは、主に途上国の選手で参加標準記録を上回っていなくても、出場枠が特別に与えられるという制度。

 

その制度を使って、カンボジアに帰化し、カンボジア代表としてマラソンに出場したのが芸人の猫ひろしさん

 

自らの身体を追い込んで、帰化してまでオリンピックに出場できる道を選ぶ。
そのオリンピックへの熱い想いは純粋にすごいし、尊敬する。
ゴール後のツイートを見てもやり切った感じがしてすがすがしい。

 

 

でも、なんかやっぱり腑に落ちない。

 

オリンピックの代表選手ってただ単にアスリートってわけじゃない。
夢や勇気とか、明日を生きる活力を国民に与えるという大きな使命も背負っている。
そしてそれができるだけの力がある。

 

今回、猫さんが走ったことで、本当にカンボジアの人達はそういった活力を感じることができたのだろうか。
そもそも、同じカンボジア人として見ていたのだろうか。

 

純粋にカンボジアで生まれ育った選手が出場できたかもしれない貴重な1枠。
それを使っても本当によかったのか?

 

(3)高須医師によるサッカー・ナイジェリア代表への支援。これってどうなの?

お金がないとメダルを獲るどころか、参加すらできない。
そんな途上国の実情を露わになったのがサッカーのナイジェリア代表。

選手の給料や滞在費の未払い問題が発生し、準々決勝をボイコットする可能性も示唆していた中、高須クリニックの高須医師が20万ドルを振り込んで解決。

 

結果的に、準々決勝に出場したナイジェリアチームは銅メダルを獲得。
1人ひとりに1万ドルのボーナスまで高須医師が支払った。

news.livedoor.com

 

単純にこんな金額の寄付をポーンとできる高須医師はすごい。
支援がなかったら、きっとナイジェリア代表チームはボイコットしていたはず。
そうなったら、ナイジェリアの今大会唯一のメダルもなかったわけで。

そう考えると、本当に高須医師は素晴らしいことをされたと思う。
だから高須医師を非難するつもりは全くない。

 

でもなんだか腑に落ちない。
アフリカのサッカー協会ってこういう揉め事をしょっちゅう起こしてるわけで。


確かに、お金を緊急支援で渡すことで今回のケースは解決できた。
でも根本的な解決策になっていない。
だから同じようなケースがこれからも発生することは容易に予想できる。

 

今回の五輪で、獲れていたはずの銅メダルを失わずに済んだことはよかった。
でも、「自分たちの問題は自分たちで解決する」という当たり前のことを学ぶ機会を失ったことは銅メダルを失う以上の損失になるかもしれない。

 

スポーツの力はすごい。だからこそ、真の意味での「世界の祭典」になってほしい

先進国と途上国のメダル格差。
途上国に与えられた特別出場枠の在り方。
途上国の資金難に対する解決の仕方。

 

普段、ネパールという途上国に住んでいるせいか、日本に住んでいたら絶対に気にしないところばかりが気になるオリンピックでした。

 

この記事で取り上げた先の3つの問題がどうあるべきか。
これに対しては、明確な正しい答えは存在しない。
でも、1つ明らかに言えることは、スポーツの力はすごいってこと。

 

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それは今回のリオ五輪に出場した選手がたった7名のネパールでもそう。
ネパールで野球の普及活動をしている「NPO法人ネパール野球ラリグラスの会」さんの活動を見させてもらったことがある。

 

野球よりもクリケットが盛んな国で、楽しそうに野球をプレーする子どもたちがいることに自体にまず驚いた。
そして彼らが、楽しそうにプレーする姿にもっと驚いた。

 

 2015年に大地震があったここネパール。
この言葉を聞けば、スポーツの力のすごさが分かる。

 

「野球をすれば、地震で怖かったことやつらいことを忘れ、前向きな気持ちになれるんだ。」
(サグン・キチャジュ選手)

 

NPO法人ネパール野球ラリグラスの会 Facebookページより

 

オリンピックで日本代表選手が懸命に戦う姿を見て、僕たちが感動をもらったり、勇気をもらったりするのと同じ。

自分の国の代表選手がオリンピックという世界の舞台で懸命に戦う姿を見ることができたら、途上国の人達だって夢や希望、明日を生きる活力が湧いてくる。

 

オリンピックという大会は、もっとたくさんの国の選手たちが出場してメダル争いがされる、真の意味での「世界の祭典」になってほしい。

 

そのために、僕ら一人ひとりにできることは何だろう。
この世界の格差を少しでも埋めるためにできることは何だろう。

 

リオ五輪はそんなことを改めて考えさせられるオリンピックでした。

 

青年海外協力隊には「スポーツ隊員」と呼ばれる隊員がいます。
野球、サッカー、柔道など、途上国の様々なスポーツの発展のために汗を流している隊員です。

 

1つ、僕が心からおすすめしたいブログを紹介しますね。

 

カンボジアの水泳隊員として、ナショナルユースチームを指導している生山咲さんのブログです。

saki.ikuyama.net

 

読んでいて鳥肌が立つようなブログです。
ぜひ読んでみてください!