僕はネパールを変えることができない。

~ネパール在住青年海外協力隊が贈る、生き方に悩む20代が前に一歩踏み出したくなるブログ~

日本人の僕がネパールの朝市で長野名物おやきを売ってまで伝えたかったこと

f:id:kei-lmnop:20160521060136j:plain

ナマステ!

青年海外協力隊の活動のご報告。 最近、ネパールの朝市で長野名物おやきを売りました。 正確に言うと、ネパールのおばちゃんに売ってもらったんですがね。

果たして、おやきは売れたのか? なんでおやきを売ろうとしたのか? そもそも物をつくって売ることをしたのはなぜなのか?

その辺りを書いていこうかと思います。

僕の活動の概要はこちら。農家の所得向上がミッションです。

www.keikawakita.com

なぜ、ネパールで長野名物のおやき?

当日の結果がどうだったかを書く前に、なんでおやきなんだってところ。 おやきを知らない人はこちら。

おやきとは|信州安曇野おやき専門店 あづみ堂

長野の郷土料理で、中には野菜がたっぷり入っています。 イメージとしては肉まんの餡が野菜になったって感じでしょうか。

この郷土料理がネパールの人にも受け入れられるんじゃないかと思いました。 なにせネパールには「モモ」と呼ばれる料理があります。(カレーだけじゃないんです!) 小麦でつくった皮の中に野菜や肉を包んで蒸したり、焼いたりして食べます。

f:id:kei-lmnop:20160521060120j:plain

これがおやきと似ているので、おやきもつくったらネパールの人に受け入れられるのかなと思いました。 小麦粉さえあれば、あとは村でつくっている野菜を使えばおばちゃんたちでもできてしまうところも魅力的でした。

前日に調理して準備!

実際に売るのは早朝の朝市。 ここでおばちゃんたちが野菜を売るときに一緒に売ってもらおうと思いました。 朝市の様子はこちらから。

www.keikawakita.com

そうと決まったら、前日の夜に調理をしました。 本当は作る段階からおばちゃんたちと一緒にやるべきなんですが、今は実験段階。 ということで、自分で作ってみました。

中に入れる餡の材料はこちら。 f:id:kei-lmnop:20160521060115j:plain

これをネパール風にマサラでカレー味にしてみました。 f:id:kei-lmnop:20160521060116j:plain

この餡を小麦粉でつくった皮に包んで、蒸し器で蒸す。

f:id:kei-lmnop:20160521060117j:plain

完成したのがこちら!ちょっと皮が硬かったけどこれをおばちゃんたちに売ってもらいます。 本当は出来立てがいいのですが、温かいまま持っていく方法が思いつかず。 冷えた状態で売ることにしました。

f:id:kei-lmnop:20160521060118j:plain

「ジャパニ・モモ」としておばちゃんに売ってもらうことに!

翌日、早朝6時から朝市でおばちゃんたちと合流。 いつもは、一緒に野菜を売るだけなので、おばちゃんたちもびっくり。 でも説明をしたら一緒に売ってもらえるとのこと。

ただ「おやき」といってもだめなので、「ジャパニ・モモ」というネーミングをつけました。

こんな感じで並べました。右上にあるのがおやきです。

f:id:kei-lmnop:20160521060133j:plain

いよいよ商売スタート。でもなかなか売れません。

f:id:kei-lmnop:20160521060135j:plain

興味は示してもらえるのですが、なかなか買うっていう人が現れない。 買わなくても、お客さんは色々と考えさせられるコメントをくれます。

「なんで朝からモモなんだ?」(確かにモモは昼に食べる物) 「ジャパニ・モモだって書いた方がいい」(パッと見何か分からないからごもっとも) 「冷えてたら買わないよ」(ネパールの人は冷えてる食べ物は捨てる傾向)

1つ1つが本当に勉強になるコメントでした。 これは、今日売れなくても、いただいたコメントだけでも収穫有りだなと思って目を離していた矢先に。 「ビカース!」と僕を呼ぶ声が。(僕のネパリネームはビカスなのです)

声の方を見ると、なんと!おやきが今まさに売れている瞬間!! f:id:kei-lmnop:20160521060136j:plain

こちらが買ってくださったおじさん。なんと7個も買ってくれました! f:id:kei-lmnop:20160522092446j:plain

その後、おばさん2名ほどが2個ずつ買ってくれて、なんと完売。

f:id:kei-lmnop:20160521060140j:plain

1つ10ルピー(8~9円)で11個売ったので、売上は110ルピー。 日本円で大体100円でしょうか。 つくった数よりも売りに出した数が少ないのは、味見とかしたので減ってしまいました。

f:id:kei-lmnop:20160521060141j:plain

この収益は実際に売ってくれたおばちゃんに渡しました。 それにしても、まさか完売するとは夢にも思いませんでした。

やってみないと本当に分からない

ここからは考察をしていきます。 まず感じたのは、やってみないと本当に分からないということ。

正直、今回売るのは厳しいと思っていました。 なにせ得体のしれない「ジャパニ・モモ」ですからね。 さすがにそんなに商売は甘くないだろうと。

でも蓋を開けてみたら、実際には完売したわけです。 もちろん、原価を無視した値段ってこともありますが、やはりちゃんと売れたことに意味があります。

商売に関しては特にそうなんでしょうが、やってみないと本当に分からないと改めて感じました。

独自の商品を置くことはそれだけで集客につながる

もう1つ感じたのは、独自の商品を置くことの効果。 この朝市には、他にもたくさんの農家が野菜を売りに来ています。 そして大体どこの農家でも売っているものは同じです。

そうなると、パッと見るだけでお客さんはなかなか立ち止まってくれない。 スーッと歩いていってしまうから商品購入とかにまで全然至らないわけです。

でも、今回「ジャパニ・モモ」を置いたことで、お客さんが立ち止まってくれることが多かったです。 中には去り際に二度見する人もいました。

オリジナルの商品を置くということは、たとえ売れなくても集客に効果があると感じました。

今回、一番伝えたかったのは「自分でもできる」ということ

そもそも、おやきがどうこうではなく、なんでつくった物を売るという行為をやったのか。

僕の活動のミッションは農家の所得向上。 ただ、現状では農家のおばちゃんたちはつくった野菜を朝市で直売りしている。 野菜は相場が決まっているので、価格変動の影響をもろに受けます。

つまり、実質的に自分の手で価格を決められないので、収入が不安定なんです。 そして、価格が決まっているので今のやり方で収入を上げるためには生産量を増やすしかない。 でもそれはなかなか現実的ではない。

だったらその課題を解決するには、つくった野菜を使って加工品をつくることが1つの手段かと考えました。 加工品であれば、価格決定権がこちらにあります。 また、村で作っている野菜を少し使うだけでできれば、コストもかからない。

そういった手段があるよ!っていうことは前から言っていました。 でもおばちゃんたちから出てくるのは否定的な意見ばかり。 「やり方が分からない」「スキルがない」など、まずやろうとしない。

言ってもダメならやって見せるしかないなと思いました。 日本人の僕が、ネパールで自分で作ったものを売ることができた。 これを見せれば、少しは変わるかもしれないなと考えたんです。

f:id:kei-lmnop:20160521074654j:plain

「あいつにできたんだったら、自分にもできるかもしれない」 そんなことを思ってほしくて、伝えたくて、今回おやきを売ってもらいました。

「やりたい!」と言い出すのを信じて待つ

とは言ってもそんな人間って単純じゃないですね。 もう少しこれを続けていくことも必要なのかなと思っています。 そして、「自分たちもやりたい!」っていう声がおばちゃんたちから出てくる時を待つしかないかなと。

というのも、無理矢理おやきの作り方を一方的に教えても意味がない。 自分たちがやるっていう意思を自分から発信してくれることを信じて待ちます。

もちろん、おやきじゃなくても全然OK。 もっといい商品だってあるはずですし。 とにかく、そこらへんの意識を変えるところからスタートしたいと思います。

まとめ

日本人の僕がネパールの朝市で長野名物おやきを売ってみたら、完売しました。 やってみることの大切さ、独自商品を置く効果を実感しました。 これで、おばちゃんたちに「自分でもできるかな」って少しでも思ってもらえてたらいいです。

おばちゃんたちの意思を信じて、「やりたい」という声が出るまで待ちます。