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破格の奨学金「トビタテ!留学JAPAN」が海外進学を対象外にする理由を考えてみた

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僕がいつもブログをチェックさせてもらっていて、現在イギリス留学中のわたぽんさん。 そんなわたぽんさんがあることについてとても憤慨していました。 それは官民協働で始めた破格の奨学金、「トビタテ!留学JAPAN」について。 この「トビタテ!~」が海外の高校や大学に直接進学する人を対象外にしているとのこと。

謎多き奨学金「トビタテ!留学JAPAN」、海外の大学へ進学する人へはトビタッテほしくないのだろうか?

確かに不自然でなんか変だなって僕自身も思ったので、海外進学者を対象外にする理由を考えてみました。 あくまでも個人的な推測ですので参考までに紹介します。

「トビタテ!留学JAPAN」の概要

色々書く前に、この「トビタテ!~」の制度がどんなものなのかを整理してみます。 そういえば、AKBが宣伝したりしてますね。 制度を詳しく知りたい方はJASSOのページが分かりやすいのでこちらを確認ください。

まずは制度の内容から。

  ・自分で自分の留学計画を作成して、そのプランに奨学金がつく
・語学、単位取得のいわゆる従来の留学だけでなくインターン、ボランティアも対象
・最高で月額20万円支給という手厚すぎるのではというレベルの奨学金の手厚さ

他に色々特徴はあるのですが、絞り込むならこの3点。 特に奨学金の手厚さは尋常じゃない!自分の給料とほぼ一緒の金額とか泣けます…(笑) もし、自分の大学在籍中にこんなのがあったらまず間違いなく応募するでしょう!!!

じゃあ、なんでここまで手厚い内容の奨学金を官民でつくったのでしょうか。 ホームページから引用します。

文部科学省は、意欲と能力ある全ての日本の若者が、海外留学に自ら一歩を踏み出す気運を醸成することを目的として、2013年10月より留学促進キャンペーン「トビタテ!留学JAPAN」を開始しました。
2020年までに大学生の海外留学12万人(現状6万人)、高校生の海外留学6万人(現状3万人)への倍増を目指します。
留学促進キャンペーン「トビタテ!留学JAPAN」の主な取組のひとつとして、「官民協働海外留学支援制度~トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム~」が2014年からスタートしました。

目的は言われ続けている「若者の内向き志向の打破」ということでしょう。 そのための具体的な目標として、「海外留学者数の倍増」を掲げています。 要は、海外留学者を増やすことでいわゆる「グローバル人材」を日本から数多く輩出したいってこと。

最後に、具体的に誰が対象者なの?って話。 これは募集要項から引用します。

「派遣留学生」とは、我が国の大学、大学院、短期大学、高等専門学校、専修学校(専門課程)(以下「在籍大学等」という。)に在籍する学生で本制度により奨学金等の支援を受ける学生をいいます。

要は、日本の学校に通っている人じゃないとダメですよってことです。 確かに直接、海外の高校や大学に進学する人はこれだと対象外になってしまいますね|д゚)

対象外の理由:支援したいターゲットからズレている

本当に端的に言うなら、理由はすごく単純です。 ずばり「文科省が留学を支援したいターゲットとはちょっとズレるから」ということ。

この「トビタテ!~」を始めたのは、そもそも海外留学者数を倍増したいからでした。 要は、1人でも多くの人に海外に出て行ってほしいというのが、官民の想いなわけです。 質じゃなくて、数。 極端なことを言えば、長い時間、留学に行ってみっちり勉強してきた人を増やすよりも、短い期間でいいから留学に行った人を増やしたいということです。

直接、海外進学をする人は、長期間行きますよね。高校でも大学でも最低3年は留学をする。 長期間行く人を支援するってことは1人の人にかける金額はそれだけ大きくなる。 それは、それだけ他の人に割ける金額が減ってくるということ。 1人の人を3年間支援するなら、3人の人を1年間支援したいっていうのが官民の本音だと思います。

もう1つ、こんなことがホームページに書いてあります。

派遣留学生は、海外体験の魅力を伝えるエヴァンジェリスト(伝道師)として事前・事後研修や留学中の体験、メンタリングを通じて育成されます。

伝道師ってザビエルかよ!って感じですが、要は派遣留学生に留学の魅力を周囲に伝えてほしいってこと。 学生時代から今の僕が続けているような活動をしたりして、キリスト教を広めるように、留学を広めてほしいっていう願いがあるんです。

じゃあ、海外進学をする人にそれができないかっていうとそんなことはない。 むしろ、1年だけ留学した僕なんかよりも、長短所を織り交ぜて、とてもいい話ができると思う。

でも問題なのは、結局、彼らはほとんど日本にいないこと! 日本で広めてほしいのに、日本にいるのは長期休暇のときだけで、最低3年は基本的にいない。 ブログとかで魅力を発信することはできるけど、やっぱりどうしてもできることは限られてくる。

まとめるとこんな理由になると個人的には思っています。

  (1)コストがかかって本来の趣旨である、多くの人への奨学金支給が難しくなる
(2)留学の魅力を伝える伝道師としての役目を十分に果たせない
 ⇒支援したいターゲットからズレてしまっている!

じゃあ海外への進学者を支援しなくていいのかっていうそんなことは全くない。 むしろ、一番ハードルが高い挑戦だし、経済的な負担も大きいのだから支援されるべき。 でも、賛同する企業数が増えれば増えるほど、質よりも数を増やす方向に行かざるを得ないのも分かる。

文科省としても、海外進学者にトビタッテほしくないわけじゃない。 でも、支援がなくてもそういう人は行けるでしょって思ってるかもしれませんね。