僕はネパールを変えることができない。

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葉田甲太さん「僕たちは世界を変えることができない」のあらすじ・感想・珠玉の名言まとめ!

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最近、カンボジアに行きたくてたまりません。 そんなこともあって、ある映画を見ました。

僕自身、これを見たのは3回目。 1度目は映画館で、2度目はどこかに旅行をしたときの飛行機の中で。 そして今回は自宅で見ました。

僕の場合、本当に好きな映画、本、CDって何回見たり、読んだり、聴いたりしても飽きません。 そしてこの作品はまさに自分にとってすごく好きな作品です。

「僕たちは世界を変えることができない」という一見してネガティブなタイトルですが、そこがこの映画の味噌。 最後まで見ると、このタイトルが決してネガティブではないことがよくわかります。

あらすじ:大学生×ボランティア×カンボジア

あらすじはホームページにも載っているので、しっかりしたものを見たい方はそちらを見てください。

でもざっくりいうと「大学生」「ボランティア」「カンボジア」がキーワードです。

向井理演じるコータは医大生。友人とともに楽しい大学生を送っていたが、どこか物足りなさを感じる。
そんな中で郵便局で偶然あるパンフレットを見る。
それは「150万円でカンボジアに学校を建てることができる」という国際協力のパンフレット。
そのパンフレットを持ち帰り、仲間とともにサークルを立ち上げ、資金集めに奔走する。
果たして、無事に学校を建てることはできるのか…。

僕なりの言葉でまとめるこんな感じでしょうか? 副題に「But we wanna a build a school in Cambodia.」と入っているように、カンボジアが舞台となっています。 カンボジアの子供たちがたくさん出てくるのですが、ハンパなくかわいい。 なんであんなに目が輝いているのでしょうか。

おすすめポイント

以下に共感ポイントを挙げていきます。 ネタバレにならないように書いていきますので、安心ください。

・大学生の心情の描写がとてもうまい
実は、この映画の原作は実話なんです。葉田甲太さんという方の大学生のときの体験が基になっている。 2008年には自費出版もされていて本にもなっています。 実話だからこそ、実際に学校を建てようとする大学生たちの心理描写が非常にリアルです。   例えば、始めるきっかけは今の生活に何か物足りなさを感じるところ。 だからカンボジアっていう国のこともよく知らない。でも学校を建てるのだから実際に行ってみる。 そうしたら、貧困、HIV、地雷など課題山積みの現状を知って、自分たちに何ができるのか悩む。   この年代の人たちが何を考えて、何を感じて、何に悩むのかがよく描かれています。 大学生活って楽しいけど、ただ楽しいってなんか物足りないんですよね。何かに没頭したいんです。 僕自身もそれもあって留学をしたので、出だしからすごく共感できました。

資金集めがうまくいかなくて、サークル内の会議で大揉めするシーンがあるのですが、 本気で共感して参加している人もいれば、就職に有利そうだからという動機で来ている人もいて そこもすごくリアルだなって感じました。


・「ボランティアって何なんだ?」って考えさせられる
主人公たちが実際にカンボジアに行って、帰ってきてから自分たちに何ができるんだと悩みシーンがあります。 ちょうど同じ時期に活動もうまくいかなくなって、色々揉め事が起こる。

「学校を建ててどうするのか?」
「なぜカンボジアなのか?」
「日本にも困っている人はいるじゃないか」

活動の根幹を揺るがすような議論がされる。

そもそもカンボジアっていう国が想像した以上に深い課題を抱えている。 だから自分たちが学校1つ建てたところで何が変わるんだっていう疑問が彼らの中に浮かんできます。 そのようなシーンの中で、「ボランティアって何なんだ?」ということを深く考えさせられます。

・カンボジアという国をもっと知りたくなる
物語の舞台はカンボジア。 アンコールワットや活気溢れる街の様子、キラキラした子供たちの笑顔といったポジティブな一面がたくさん見れる一方で、地雷やHIV、ポル・ポト政権による大虐殺といった、国の発展に妨げるような課題がたくさんあることがしっかり描かれています。 親の仕事を手伝うため、子供たちが学校に行けないという日本では考えられない実情も。

現地ガイドのブティさんのご両親がポル・ポト時代に経験した悲惨な現状を語るシーンがあるのですが、あれは胸に響くお話です。 ブティさんは実際にガイドをされている方なので一度お会いしてみたい。   カンボジアという国を知らない人にとって、この国に興味を持つきっかけを持てる映画です。


ネタバレ注意:心に残ったセリフ

ここからはネタバレ有で、印象に残ったセリフを残していきます。

本気であの国救えるとでも思ってんの?アンコールワットでさ、小さい子供が1ドルねだってきたことあっただろ?
俺思わず渡しちゃったけどさ、たった1ドルであの子たちの未来変わんのかよ?

主人公たちが一番悩んでいるときに出てきたセリフ。この1ドル問題の葛藤はすごくよく分かります。

考えてもさ、答えなんて出ないんだよ。でも1つだけはっきりしてることがある。
俺は一人じゃ何にもできない。だから力を貸してほしい。

コータが主要メンバーに活動を続けていくことを宣言した時のセリフ。 一人の力は微塵でも、みんなでやっていけば何かが変わる。

この通り、僕は何も持っていません。
僕がどんなにあがいても世界はびくともしません。きっと何も変わりません。
愛とかボランティアとか正直僕にはわかりません。
だけど誰かのために何かをする喜びは、自分のために何かをする喜びよりも上回るときがあるんじゃないかなと思うんです

最後のチャリティーイベントでコータが挨拶した時のセリフ。 最後の文章がたまらなく好きです。これこそ、ボランティアの真髄なんじゃないでしょうか。

僕たちは世界を変えることはできない。
でもあの日、あの瞬間、子供たちが笑って、僕たちが笑ったことだけは真実だ。

小学校が開校してから、映画のラストシーンで出てくるセリフ。 「でも~」のところがあるから、タイトルは一見してネガティブですが、実はそうじゃないんです。

切り株を掘り起こすシーンがこの映画の象徴

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長々と書きましたが、最後にこのシーンが深かったのでそれについて書いて終わります。

映画のラストパート。 コータがカンボジアの荒れ地で、大きな切り株を鍬で掘り起こそうとするシーンがある。

炎天下の中で、大きな切り株を1人で引き抜こうとするコータ。
何度鍬で掘っても、手で押しても切り株はびくともしない。
そんな中でもあきらめずに動かし続けようとすると、それを見ていた現地の人が1人また1人と集まってくる。
そして、みんなで協力して、切り株を縄で引っ張るとなんとか抜ける。

完全な主観ですが、あの切り株は世界に存在する「問題」。 例えば、HIVだったり、戦争だったり、貧困だったり、環境破壊だったり。

あの切り株が深く深く地に根付いていて、引き抜こうとしても全然抜けなかったように、 世界の問題も根深い。

あの切り株をコータ1人で動かそうとしても、全く動かなかったように、 世界の問題も1人がどうにかしようと思っても微動だにしない。

でも、諦めずにとにかく切り株を掘り起こそうと頑張った。 そうしたら、協力してくれる人が現れてなんとか切り株を抜くことができた。

世界の問題も同じ。 諦めずに、とにかく手を動かすこと。1人が手を動かし続けたら、そこにはいつの間にか 仲間がいて、みんなでやっていけば問題を解決することができる。

世界が変わるとか変わらないとか、そんな大きなレベルで考えるんじゃなくて、 まずは目の前にあることに対して、自分ができることをやっていこう。

そんなことを思わせてくれた素敵な映画でした。 主題歌もめちゃくちゃいい曲で、この映画にぴったりです。

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